さて引き継ぐことになった
24歳の五月女圭一は何から手をつけたか。
家族の協力の確認です。
何においても行うのは人間です。
一人でできることなど限られてます。
各所の協力なしにことは進みません。
今回のような不動産賃貸においては
家族が主な登場人物です。
食事をして
話をして
これから起きるであろう局面への理解と協力を確認するのが
最初のアクションです。
二十半ばの大人にもなれてないような息子に
「では任せたよ」なんて言える人ってのはいないと思います。
私のところでも
それはそれは抵抗にあいました。
だけども
現状のままのシュミレーションで
5年後に0のラインを割り込むことを見せた時
父親は決断してくれました。
経営するのは
信用金庫でもなく
工務店でもなく
不動産屋でもなく
自らだということ。
うまくいかなかった自分に可能性を見出すよりも
事態に気がついて
自発的に動いている自分の息子ならできるかも
できなかったとしても
このままではどちらにせよダメ。
私からしたら
「息子にやらす」の一択。
彼からしたら
他の選択肢もあったことでしょう。
よく受け入れてくれました。
多くの場合
借り入れをおこしているので
いったい自分達がどういう状況なのかが掴み辛いようです。
事業規模からすると多額の有利子負債を抱えるわけですから
長期にわたりリスクを抱えたうえでの経営を強いられます。
1億7,000万円6%の金利で借りていたら
年間1,020万円の支払利息を伴うわけです。
当然利息から順番に支払っていきますので
払っても払っても元金など減ったことも確認できない程度です。
一方で
キャッシュの減少は
誰でもわかりやすいです。
不動産賃貸業で最大のピンチといえば
借入れの返済資金が不足することです。
状況を把握せずにいても
現金が減っていけば自然とマズイことに気がつきます。
経営者の方々は
破綻する直前まで
事態を受け入れないことがあります。
事態を受け入れていないから
手を打てずに破綻するわけです。
無借金で行っている事業であれば
即座に撤退できますから問題ないです。
ただし
個人事業で生活と事業が混ざった形態であると
即撤退というわけにはいきません。
気がつくと
私的な部分まで
減り込ませてしまって
ボロボロになっているケースがあります。
復活するのが困難な状況になる前に
2代目が気がついてあげないといけないです。
本人達は
初めての経験で
悪気もなく
気がついてもいないかもしれないのですから。
一般的な場合はオーナー&経営者を一人でやってます。
ところがこれがうまくいかない。
しかも不動産賃貸の場合は長年やるものですから
大体賃貸物件のオーナーはお年を召されているケースがほとんどです。
不労所得など言いますが
もっているだけでなく経営をしないと成立しません。
どの経営でも同じで
時流に沿った変化が求められます。
経営者とは
誰でもなれますが
責任と努力を伴うポジションです。
所有権が移行する前に経営だけ引き継ぐのが望ましいと考えます。
たいていは息子さんへ引き継ぐことになるとは思いますが
仮にそれで経営がうまくいかなかったとしても仕方ないことです。
どの道
相続した後にうまくいかなくなることが
事前に表面化するわけで
皆で協力できる時期に引き継いでおけば
一緒になって取り組むことができます。
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